『グーグーだって猫である』

去年、公開になった時から見たかった「グーグーだって猫である」をようやく。

わたしはリアル大島弓子世代じゃないし、むしろ大人になってから入った組なので、思い入れはそれほど強くないと思うんだけど、それでも、うーむ、あの脚本はどうにかならなかったのかなあ、とか少し首を傾げてしまうのだった。キャストも音楽もいいだけに、あの間の悪さが、すごく残念。

犬童一心監督、「ジョゼ」は言わずもがな、「金髪の草原」も「メゾン・ド・ヒミコ」も好きだったのになあ。オマージュであるはずが、原作を消化しきれてないような、ちょっとチグハグで、居心地の悪い印象。

それでも、吉祥寺の街の、あか抜けてはないけど、アットホームな雰囲気がすごく心地よくて、小泉今日子はやっぱり小泉今日子で、上野樹里もやっぱり上野樹里なんだけど、すごく柔らかく、ゆったりと、それでも毎日を肯定して生きている麻子さんに、なんだか救われたりもしたのだった。

加瀬亮もひさびさに好きな感じの加瀬亮で。なんでこの人初対面で年上にタメ口なんだろうとか、普段タメ口の人が研修医なんですか?っていうつっこみはありつつ、麻子さんのゆったり感とか、地から浮いてる感じをうまくすくいあげていて、肯定してくれている感じがすごくいいなあとおもった。