『ベルリン・大都会協奏曲』

映画博物館の下のArcenalで、いまポツダム広場に関する映画の特集をやっていて、今週はルットマンの『Berlin: Sinfonie der Grossstadt(ベルリン・大都会協奏曲)』。

有名な冒頭の列車が乗り入れる場面は何度か見ているけど、通してみるのは実は初めて。黄金の20年代と言われたベルリンの街並みと、人々の営みを餌から描いた記録映画だが、音楽にシンクロするように織り交ぜられた凝った編集や、たまにあるコミカルなコマがおかしく、当時のヴァイマル時代の生活を知る資料としてだけでなく、映画としてもかなり面白かった。

ほぼ100年前の暮らしな訳だけれど、多少の文明の差はあれ、今と、さほど変わってなくて、列車はAnhalter Bf.に入ってたんだなあとか、この橋はあのあたりの風景だろうなあとか、今でもちゃんと面影があるところもあって、古き良きベルリンのよさを感じられる、いい映画。

普段どうしても、旧東独との対比でみてしまうベルリンなので(これはわたしの趣味ですね)、短くも、世界の文化の中心だったヴァイマル時代に思いを馳せてみるのも、たまにはいい。