『ブロークン・イングリッシュ』

ブロークン・イングリッシュ [DVD]

ブロークン・イングリッシュ [DVD]

ゾエ・カサヴェテスの監督デビュー作、『ブロークン・イングリッシュ』を観る。

ジョン・カサヴェテスジーナ・ローランズの娘さん、という先入観から観てしまうと、ものすごいインディペンデントなキテレツ系映画を想像していたのだけれど、意外にすごく等身大で、正統派なものづくりをしている人で、ちょっとびっくりした。

30代女子の孤独感とか、殺伐とした満たされない感がすごくよく出ていて、母親役のジーナ・ローランズの台詞とか、リアルなのがいっぱいあってビビッとくる。

フランス人の彼の、稚拙だけどストレートな物言いとフランス訛りの拙い英語が、恋にバリアを張ってしまった彼女のぎこちなさや、つたなさ、居心地の悪さに重なっていくのだが、会話劇としては結構よくできていて、タイトル通りの、キュートでリアルな恋愛映画。

衣装やインテリアもすごくかわいくて。けど、けど、やっぱり、あのラストはないよなあ…。せっかく旅の終りに自分の答えにたどり着いたと思ったんだけどな。それでも最後に、ドラマチックな展開を求めてしまうというのが、今の30代のリアルなんだろうか。うむむ。