水面の風景・ゴッホ展

金曜日、お休みをもらって、ひとり都内をぐるぐるする。

日常でちょっと煮詰まると、決まって飯田橋のカナルカフェに行く。あんまり足繁く通うところじゃないけど、職場が九段下にあった頃も含め、冷たい空気に触れながら、ぼうっと水面を眺めていると、なんだかアタマがすうっとクリアになる気がする。コーヒー1杯分の時間、音楽もなく、ぼーっといろんなことを考える。大したことじゃないんだけど。こうゆう切りかえができる場所ってたまに大事だ。ほんとに。

あたまをクールダウンしたところで、国立新美術館ゴッホ展をようやく観にいく。平日だったら空いているだろうと思っていたのに、やっぱりすごい混みよう。恥ずかしいことに、展示を観たのってはじめてだったんだけど、すごくヨーロッパの美術館を意識した作りになっているなと思った。展示自体はわかりやすくてコマーシャルで(解説が安住さんってあたり)、その割に解説が技法拠りというか、割とマニアックなので、そのコントラストがおもしろかった(たぶんそんな楽しみ方してるのってわたしだけ)。日本の美術館って、国単位であたらしいことを取り入れようって発想が薄くてまだまだコンサバなので、こうゆうPOPな魅せ方をする美術館があるってことはいいことだよなと思う。地下のカフェとか、ショップとかかなり好き。あの「今回の目玉」的な演出だけは、どうにかなんないもんかな、とは思うけど。

展示を周りながら、そういえばここ1年余り、美術館なんてほとんど行ってなかったことに気づいてはっとした。今回だって、仕事のことがなかったらたぶん来なかっただろう。こうゆう脳がきゅっと引き締まる感覚、やっぱり忘れちゃだめだなー。