『越境する天使』
- 作者: 宮下誠
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2009/12/01
- メディア: 単行本
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いつも行く本屋のアート本コーナーで、大学時代の恩師のひとりの新刊をみつけて、思わず息が止まってしまった。宮下誠さんが亡くなったそうだ。享年49歳。
いわゆるカルスタ寄りのドイツ系美術史のパイオニアで、新進気鋭の学者だった。どれも安易な理論じゃなかったけど、すごく大きな影響を受けた人。
ゼミをさぼって3年間講義に通った先生なので、いろんな思い出がよぎって溢れてくる。穏やかな物腰で、カミソリみたいに鋭い眼をもった人だった。アドバイスはいつも簡潔にして的確だった。
副題は"Paul Klee, die überschreitende Engel"、先生の専門であるクレーが遺作になったのは偶然か必然か、まだ語るべきことはたくさんあったに違いないのに、残念でならない。ご冥福をお祈り致します。
本の感想はまた追って。まだ気持ちの整理がつかなすぎる。